事業譲渡とはM&Aの方法のひとつで簡単に言うと会社の事業の一部を他の会社に売却することです。事業売却も事業譲渡と似たような意味合い持っています。2つのメリットは事業を売却することによって、赤字収益の事業を手放すことが出来たり、それによって現金を手に入れられることになります。
しかしながら、事業を売却した利益を譲渡益というのですが、こちらにも当然税金がかかってきてしまいます。今回は譲渡益にかかる税金について詳しく確認していきましょう。

【事業譲渡・売却でかかる税金】
・売り手側
① 法人税…事業を売却したことで得た利益にかかります。税金を引く前の利益に対し、税率は大体40パーセントくらいが課せられるでしょう。はただし、譲渡額がそのまま売却額につながるわけではありません。ここでの譲渡額とは売却額から帳簿価額を引いたものになります。帳簿価額とは会計上で計算された資産額や負債額のことをさします。売り渡した事業よりも売却額が高い場合はプラスの収益になるので通常通り法人税がかかります。しかし負債額が大きく帳簿価額の金額が売却額を超えていた際には会社の利益としてはマイナスなのでこの場合はかかりません。
② 消費税…消費税事業譲渡にかんしては売り手側が支払うこととなります。ただし売却額に消費税分の税率をのせるので実質支払うのは買い手側になります。税率は10パーセントです。なお事業の種類によっては消費税がかからないものも存在します。それは土地や株式などの有価証券、また債権になります。

・買い手側
① 消費税…売り手側でも説明がありましたが、消費税自体を納めるのは売却側になります。しかし事業の売却額に消費税分が加算されるため実際は買い手側が支払うこととなります。しかしながら、非課税になる事業もあるので支払いの際はその部分にも税金がかけられていないかしっかり確認することが必要となります。
② 不動産取得税…譲渡された事業の中に土地や建物などの不動産が含まれていた際には支払う必要が出てきます。税率は取得した不動産の固定資産税評価額の4パーセントです。M&Aの手法で会社分割というものがあります。この方法を利用すると不動産取得税を支払わなくて良くなるので、不動産の価値が高い場合には一考してみてはいかがでしょうか。
③ 登録免許税…②とつながっていますが、不動産を取得した場合名義変更が必要になります。そのため免許登録税がかかるようになります。なお土地・建物ともにかかる税率は固定資産税評価額の2パーセントになります。

以上が事業譲渡で売り手側・買い手側にかかる税金の種類と具体的な税率でした。女王てしたい事業によって税金がかからないこともありますし、会社分割など、M&Aの他の方法を利用すれば支払いを避けられる税金もあります。ですので事業を手放したいという方はよくよく考える必要があります。もしも方法をどれにするか迷っている、どうすればいいのかわからないと困っている方は一度専門家に話を聞いてみてはどうでしょうか。
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